2008年8月24日日曜日

Residential building_Silvia Gmür Reto Gmür Architekten



Residential building

architect: Silvia Gmür Reto Gmür Architekten

Location:Froben strasse 4, 4053 BASEL

 Silviaとその息子Retoが親子で設計したという集合住宅。 

 BaselSBBから徒歩10分ぐらいの所にあります。ストラクチャーは単純ですが、3階部分が全面ガラスになっていて、それがRCの重厚感を軽くしているように感じました。微妙に少 しづつ細くなったり太くなったりしているファサードの柱の表現が、個人的にはかなり好きなポイントです。内部は、中央部分に階段があって両サイドに空間が 分けられています。


 2006年に竣工されたので、まだ英語の本では見かけたことがありません。『NuesBasel』(Braun社)というドイツ語の本には載っていたの ですが。この本は、こういう建築があるというのを知るのには便利ですが、残念ながら写真が全然だめで、全体像を捉えることが出来ません。でも、バーゼルの 建築巡りをしようとしている人には役立つと思います。


 というか、Gmürの発音難しすぎです。。

2008年8月23日土曜日

Woman's Clinic with operating theatres_Gmür/Vacchini


Woman's Clinic with operating theatres



Architect: Gmür/Vacchini(Silvia Gmür/Livio Vacchini)
Location: Spitalstrasse 21, 4031 Basel, Switzerland

 いつだったか、日曜日の新聞(Basler Zeitung)にこの建築とこれを設計したGmür(女性)が特集されていた。Gmür一家は、建築家一家らしい。夫婦と息子、全員が建築家。これを設計したのは奥さん。以前載せた集合住宅は旦那さん。スイスミニマリズムから脱却した、少し遊び心のある面白い建築を作る一家だという印象。

  






 斜めにボイドをとり、地下への採光としている。この三角形のRCが一見単調なカーテンウォールにリズムと締まりを与えている。









 大学の施設の増築で、向かいには、HdeMのRossettiがある。このRossettiを見に来て、向かいにあるこの建築に興味を持った人も多いのではないかと思う。



 この大学病院は、もともと1945年にHermann Baurという建築家によって設計された。これが老朽化のためGmür/Vacchiniによって2003年に建て直された(その際構造は以前の形態を踏襲した)。その後、更に増築されたのがこの建築。(Architectural Guide Basel 1980-2004, Birkhäuser参照 )
 このプロジェクトのクライアントは州立病院、つまりCanton Basel(行政機関)。このように、スイスでは、公共施設の設計も当たり前のようにアトリエ系建築事務所に発注したりする。

Residential Complex_Diener&Diener


Residential Complex

Architect:Diener&Diener
Location:Steinenvorstadt 2/Kohlenberg 1, 4051 Basel, Switzerland
(↑から地図へのリンクあります。)


バーゼルのmainplazaであるBarfüsserplatzに近いOfficeComplex。
開口の意匠とファサードのtextureが特徴的。
リズムを持つ開口と打ちっ放しRCで構成されたファサードはミニマルアートのような印象。
コンテンツは、ResidentialとRetailの複合施設です。

住んでいるときは、毎日通勤で見ていて、「誰の作品だろう?」と思ってました。
誰かArchitectがやったことは間違いないと思っていましたが、Diener&Dienerと知ったのは、大分経ってからでした。

日本では余り知られていませんが、Baselでは、HdeMに次ぐ2番手のアトリエ系Officeと言われることが多いようです。作品は白を使ったり、光に対する操作など少しSANAAに近いモノがあるように思います。けど、スイスという土地柄かもしれませんが、建築のものづくりの側面を大切にしているようです。その点が、SANAAとの決定的な違いかもしれません。
来年、東京のオペラシティで、展覧会をやるようです。(http://www.operacity.jp/ag/exh/index_sch.php
この展覧会で、スイス建築がまた、注目されるきっかけになるかもしれません。

けど、たまに一階に入っているテナントのゴミが外に放置されていて、少し悲しい気持ちになった記憶があります。。

2008年7月27日日曜日

Therme Vals_Peter Zumthor


Therme Vals
(スパ、ホテル)

Architect: Peter Zumthor
Location: Vals, Switzerland

2007年の11月に行きました。
Churからローカルラインに乗り、IIanzまで。そこからバスで30分ぐらい。
着いた瞬間、迫り来る山肌のランドスケープに感動。
その山肌を歩いている牛達の鈴の音が心地よく聞こえてきていました。

山の方へ歩いていくと、ThermeValsが姿を現してきます。
地形に埋没したボリューム。


この地域の自然に露出した地層断面から着想を得たというテクスチャー。
スパのテラス部分。

サッシュのディテール。

スパ内のボリュームのプロポーション、開口、、、。
気に入る箇所を挙げていったらきりがありません。
でも、一番いいのは、スパ内部の空間。
天井のスリットから入ってくる光。
その光で素材本来の表情を取り戻した壁。
大きく取られた開口から迫ってくるスイスの山々。
ベネチアンガラスを通して入ってくる青色の光。。。。
撮影禁止だったので写真載せることが出来ませんが、
それは、行って体験して感動するまで取っておいた方がよいと思われます。
小空間がたくさんあって、そこに至るまでくぐったりする場所があったりと冒険的要素があり、建築を生業にしていない人でも楽しめる空間でした。日本人にはお湯が少しぬるく感じられるかもしれません。
とにかく、全てが最高でした。

自分の中では、Best Swiss Architectureです。

また、Zumthorがリノベーションしたインテリアも最高。
(Temporariesに泊まりました。)





全ての家具がデザイナーモノでした。
Miesのリクライニングチェア。











ベッドとデスクはZumthorのデザイン。
見えにくいですが、手前のスーツケースチェアは、Mies。
奥には、スパ用のバスローブが掛かってます。











夜は、こんな感じです。
カーテンは、タイシルク。







Miesのリクライニングでゆっくりしながら大きい開口から景色を楽しむ。
山からは、心地よい鈴の音。
片手にワイン。

アペリティフではシャンパンが配られ、Zumthorの奥さん(Annalisa Zumthor)がスピーチをしてくださいました。
ドイツ語だったので、半分ぐらいしかわかりませんでしたが。。これは、おそらくHaus Annalisaなのですが、確証がありません。

その後は、ピアノの演奏会。
このように、毎晩何かしらのイベントがあるようでした。
一日目は快晴で、二日目は雪。雪の中スパにつかりながら見る風景は最高でした。

ごはんもヨーロッパの割には薄味の上品なものでした。

死ぬまでに一週間ぐらい滞在したい場所です。


ThermeValsのURLはこちら。ここから予約出来ます。
行き方は、右にあるSBB(スイス国鉄)のトランジット検索のガジェットで、到着地;Vals,thermeで入れてみてください。
バスの時間も全部検索できます。

Reference

book
Peter Zumthor Therme Vals アマゾンで購入可能。内部の写真、Zumthorのスケッチも掲載

2008年7月26日土曜日

Residential Complex_Gmür&Steib Architekten(Switzerland)

Wohnüberbauung
Paul-Clairmont Strasse
(集合住宅)

Architect: Gmür&Steib Architekten
Location: Zürich,Switzerland

 Zürichの郊外にある集合住宅。幼稚園も併設。インターンシップしていた事務所でコンペ雑誌の表紙になっているのを見て衝撃を受け、即週末に訪問しました。

 H&deMのイメージが強いからかスイス建築は、スキンの表現にフォーカスしているように思われがちです。H&deMの作品自体もSignal BoxやRossettiなどスキンの表現にかなりインパクトがあります。しかし、実際中の空間を体験してみると、内部への光の取り方などが面白く、外
部との関係をインタラクティブに捉えているように感じられました。

 この建築は、なんといってもバルコニーの表現が面白い。ある意味、フラクタルな建築。
外部に突き出ているバルコニーのユニットは二つの部屋でシェアされています。


 内部も綺麗でした。


Refrerence

book

Aktuelle Architektur in Zurich
1/1000のプランと写真が載ってます。解説はドイツ語ですが。。

internet
Gmür&Steib Architekten
→http://www.gmuersteib.ch/

Access

map.search.ch
スイス内の便利な地図、トラム・バスなど公共交通機関のラインから時刻表まで載っている。

→http://map.search.ch/zuerich/paul-clairmont-str.